今日の朝日新聞朝刊38面の見出しに「ヒノキ改良花粉8割減 神奈川県 5品種、来春から生産」とあった。
この記事を見て想い出したことがある。昔、多摩御陵に行ったときのこと、林立する杉の木の姿形がすがすがしい他に、何か違っているなと感じたことがあった。
花粉が飛んでいるはずの時期であるのに、その気配が全くなく、清々しかったのである。杉の木に花が咲いていないのである。見渡す限りの杉の木のそばに行って確かめてみたが花を見つけることは出来なかった。
そのころある酒席でこの話をしたところ、私の話は眉唾だという人が多かった。それから数日経って”私も多摩御陵に行ってきて杉の木の花粉を調べて廻ったが、裏のほうにやっと2本花粉がある木を見つけただけで、確かに花は咲いていない”と立派な方の報告を受けたから、どうやら私の話は本当らしい。
この杉の木はロングスカートをはいているように、地面近くまで枝があって豊かな葉を蓄えているので、園芸品種のようなのである。そして、この杉の木は皆同じ姿形をしているので挿し木であると思われる。
ということは、山野に植えている材木を採る木には向かないのではないだろうか。だから、山野に植える木としての候補にはならないし、なっていないのだろうと今思っている。